『311・語り場』宮城県からのマリアさんの巻(後編)

スコップ団の経験を経て『命って本当に、いつ終わるか分からない』と思った、というマリアさん(仮名)。
その後、チーム☆OKの仲間、会場の皆さんへ「ぜひ伝えたいこと」をお話ししてくれました。

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マリアさんの語り、前編はこちらです
マリアさんの語り、中編はこちらです

【2011年冬、夢のハワイ島のドルフィンツアーに行きました】

震災前からずっと行きたかった、ハワイ島でのドルフィンツアー。
行けるなんて夢にも思わずにいましたが、人間、やりたいことをやっていると魂が輝くのですね。スコップ団に行かせてもらっているうちに、いつ死ぬか分からない、行かなくちゃと思うようになりました。

夫は賛成してくれましたが、義母に伝えるのが本当に怖かった。
手が震えるほど緊張しましたが、勇気を出して話したら、あっさりと賛成してくれました。

そして、2月26日~3月5日、子供を置いて、ハワイ島のドルフィンツアーに
行き、イルカと泳ぎ、たくさんのワークショップを通して、「愛以外は手放します」と宣言して帰ってきました。

イルカ

そして帰国。帰ってきたとき、家族に対して、義母に対しても感謝の気持ちしかありませんでした。帰ってきてお義母さんにハグしたら、お義母さんが「あれれ~」って(笑)
それまでずっと、お義母さんに対して遠慮していたのですね。つまり壁があった。
でもその壁が取り払われたんですね。オープンハート。

3月5日に帰ってきて、10日花火があって、そこでスコップ団も活動休止となりました。
解散ではなく休止、何かあれば「いざ鎌倉」、また集まろうと。

そこで一段落しました。
放射能を気にせず1年が経ってしまっていました。

でも3月中旬、次女の卒園式の頃、車の運転中、「こどもを守りなさい」というメッセージを天から受け取りました。
それから放射能について調べ始めたら・・・心配で仕事が手につかなくなってしまいました。
そして調べてたどり着いた北海道の「あったかい道ハウス」。一時保養のための無料の施設です。自治体ではなく、民間の支援団体が運営していました。
北海道の避難者支援団体「あったかい道」のホームページ

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(あったかい道ハウスの様子。現在は休止中です。一時保養、避難希望者の下見滞在の宿として、無料で提供して下さっていました。チーム☆OKのメンバーがたくさんお世話になってきました。)

その「あったかい道」の代表、湊源道(みなとげんどう)さんの、311からの私欲を捨てた支援活動を知ったとき、「北海道にはスコップ団の団長さんみたいな、すごい人がいるんだな~」と思いました。
「あったかい道」代表・湊源道さんのプロフィール

4月の頭に来道して、あったかい道ハウスに滞在しながら、役所や学校、無料の団地を見て回り、いいなと感じて帰りました。

あとは自分の決断だけ。
私しか子供を守れる人がいない、と母子避難を決断。夫も義母も賛成してくれました。

4月下旬の家庭訪問で、先生に放射能についての心配を話すと、去年1軒いましたね、という返事。
友達に話すと、意識の相違から話をしてもらえなくなりました。

スコップ団の話をしたときに、友達や近所の人、ほとんど無関心でした。
それもあって、あまり落胆はしなかったのですが、せめてもと、チェルノブイリの事故後に書かれた『まだ間に合うのなら』という本をみんなに配って北海道に旅立ちました。

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(母子避難が決まり、「宮城で最後の参観日になる」と、パパが仕事の都合をつけて出席しました。帰り道、ふたりの娘との下校姿に、マリアさんは思わずシャッターを押しました。)

7月、札幌の避難者が集まる団地に母子3人で避難してきました。
来たときは、友達はいらない、と思っていました。スコップ団や放射能について分かってもらえず、疲れていたのです。
でも、子供たちが、つなげてくれたのですね。
ちょうどその頃、子どもたちのダンスチームが結成され、娘2人とも誘ってもらい、どんどんなじんでいきました。ダンスの先生も「お父さんだと思え」と温かく迎えてくださって。

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2012年10月に初めて、チーム☆OKの一員として、おんたの(音楽祭)に参加しました。

 

年が明けて1月、語り場に誘ってもらい、同じ宮城県民の奈々さんの語りを聞いて、こんなに若くて可愛いのに、あの宮城県からすぐに避難して、みちのく会(北海道避難者の自助組織。1500名の会員を有する大きな組織)の役員などがんばっている、とても輝いていると感じました。

そんな素敵な人がたくさんいて、チーム☆OKってなんて素敵なんだろう、私にできることって何だろう、と思っていました。

その頃、「避難のお母さんたちがちょっと元気ない」って話をあちこちで聞くようになり、その頃出会ったAさんとともに、チーム☆OK内の『癒し隊』に入り、癒し隊の一員として活動するようになりました。お茶会でハンドマッサージをしたり、話をじっくり聞いたりしています。

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【お母さんたちへ伝えたいこと】
今回、今までの語り手さんと違ったのが、マリアさんがお母さんたちに伝えたい、明確なメッセージがあったことです。

「お母さんたちは女神。愛だけでここに来ています。
そのお母さんたちが笑顔になれるのが嬉しいのです。
お母さんたちを癒やしてあげられることが幸せです。

お母さんって、子供の前で我慢してしまうんですよね。
でも、それを続けると心が乾いてしまうんですよ。
楽しいこと、心地いいことを取り入れていこうよ、って思います。

そして、みなさんにお伝えしたいのが、ご主人・親・子供に対して、
あなたが大好きです、愛してます、と伝えましょうということ。
謝りたい人には、謝ったほうがいいし、
ありがとうを伝えたい人には、ありがとうと伝えてください。
悔いのない人生を送りたいですよね。

食料や水の備蓄もそうですけど、きちんと周りの人へ、愛を伝えておくこと、
それがいちばんの防災だと思います。」

 

3月10日
(スコップ団団長・平了さんの詩「3月10日」)
温かな優しさがあふれる中、語り場のいつもと同じ、
「マリアさん、ひさ子さん、ありがとうございました!」
の挨拶で幕を閉じました。

語り手のマリアさん、コーディネーターのひさ子さん、司会進行役をつとめたあやこさん、
本当にありがとうございました!!

(『311・語り場』宮城県からのマリアさんの巻・終)

home_311さぽーとほっと助成事業
2013年7月11日に開催された『311・語り場』は、札幌市「さぽーとほっと基金」の助成を受けて行われました。皆様の貴重なご寄付を遣わせていただき、本当にありがとうございました!

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